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スピネル

尖晶石(せんしょうせき)

黒太子のルビーの真実、8 月の追加誕生石

スピネル(Spinel/尖晶石)は、化学組成 MgAl₂O₄ の酸化鉱物。結晶系は立方晶系(等軸晶系)、モース硬度 8、比重 3.60 前後。色は赤・ピンク・紫・青・緑・黄・褐・無色・黒と多彩で、特にレッドスピネルはルビーと長らく混同されてきた歴史を持つ天然石です。1783 年にフランスの結晶学者 Romé de l’Isle が結晶構造の違いからルビー(コランダム、三方晶系)と別鉱物として確定するまで、世界の王室の「赤い宝石」の多くは実はスピネルでした——大英帝国王冠の黒太子のルビー(140 ct、実はレッドスピネル)、エリザベス女王のティムール・ルビー(361 ct、ムガール帝国由来、これも実はレッドスピネル)が代表例。和名「尖晶石」はラテン語 "Spina"(小さな棘)に由来し、結晶が正八面体で先端が尖っている形状から名付けられました。2021 年に日本の全国宝石卸商協同組合が誕生石を 63 年ぶりに改訂した際、8 月の追加誕生石として正式に採用されました。

スピネルの石言葉

  • 活力
  • 勝利
  • 情熱
  • 希望
  • 勇気
  • 再生
  • 魅力
  • 信頼

スピネルとは

スピネル(Spinel/尖晶石)は、化学組成 MgAl₂O₄ の酸化鉱物。結晶系は 立方晶系(等軸晶系)、モース硬度 8、比重 3.60 前後。光沢はガラス光沢で、屈折率は 1.71 前後の宝石質。和名「尖晶石(せんしょうせき)」はラテン語 "Spina"(小さな棘)に由来し、結晶が 正八面体 で先端が尖っている形状から名付けられました。なおスピネルは単一鉱物の名前であると同時に、同じ立方晶系・酸化物構造を持つ鉱物グループ(スピネル族:マグネタイト・クロマイト・ヘルシナイトなど)の総称でもあります。

スピネルの色は赤・ピンク・紫・青・緑・黄・褐・無色・黒と非常に多彩。特に レッドスピネル はルビー(コランダム)と硬度・色・産地(同じミャンマー・モゴック地方の漂砂鉱床)が極めて似通っており、長らく区別されずに「ルビー」として流通していました。両者を結晶学的に別鉱物と特定したのは 1783 年、フランスの結晶学者 Jean-Baptiste Louis Romé de l’Isle。スピネルは立方晶系、ルビーは三方晶系という結晶構造の違いが決め手でした。1800 年代に化学分析の発展でこの違いが広く知られるようになり、それまで「ルビー」として珍重されてきた赤い宝石の多くが実はスピネルだったことが判明する歴史的転換点となりました。

もっとも有名な「実はスピネルだった赤い宝石」は 黒太子のルビー(Black Prince’s Ruby)。大英帝国王冠の十字架の前面に据えられた 140 ct の巨大な赤い宝石で、14 世紀のエドワード黒太子(イングランド王太子)がカスティーリャ王ペドロ 1 世から贈られたと伝わります。もう一つは ティムール・ルビー(Timur Ruby)——361 ct のムガール帝国由来の赤い宝石で、現在はエリザベス女王のネックレスに装着されており、所有者の銘が刻まれた世界最大のスピネルのひとつ。両者とも近代の宝石学で「実はレッドスピネル」と判明した、王室の歴史に刻まれた天然石です。

日本では 2021 年 12 月 20 日、全国宝石卸商協同組合(全宝協)が 63 年ぶりに誕生石を改訂し、10 種類が新たに追加されました。スピネルは 「8 月の追加誕生石」 として、ペリドット・サードオニックス(主石)とともに採用された現代の誕生石のひとつです。8 月生まれの方への贈り物として、また赤・ピンク・紫・青・黒など多彩な色のなかから好みを選べる天然石として、近年人気を集めています。

スピネルの原石アクセサリー

鉱物データ

和名
尖晶石(せんしょうせき)
英名
Spinel(語源: ラテン語 "Spina" = 小さな棘)
化学組成
MgAl₂O₄(マグネシウム + アルミニウムの酸化物)
鉱物分類
スピネル族(酸化鉱物) — 同族にマグネタイト・クロマイト・ヘルシナイトなど。スピネル単体は立方晶系・正八面体結晶
結晶系
立方晶系(等軸晶系) — ルビー(三方晶系)との決定的な違い
モース硬度
8
比重
3.5 〜 4.1(赤系は約 3.60)
主産地
ミャンマー(モゴック、最高品質のレッドスピネル産地)、ベトナム、タンザニア(マヘンゲ)、タジキスタン(パミール)、スリランカ、マダガスカル、アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリア、オーストラリア
色のバリエーション
赤・ピンク・紫・青・緑・黄・褐・無色・黒(レッドスピネル はルビーと長らく混同。ブラックスピネル はジェット代替として流通)
特徴
1783 年 Romé de l’Isle が結晶学的にルビーと別物と特定するまで、王室の「赤い宝石」の多くは実はスピネルだった。黒太子のルビー (140 ct)・ティムール・ルビー (361 ct) は実はレッドスピネル。2021 年に日本の 8 月追加誕生石として全宝協が正式採用
誕生石
8 月(追加誕生石、2021 年改訂。主石はペリドット・サードオニックス)

スピネル — ルビーと長らく混同された宝石

同じ赤、同じ硬さ、同じ漂砂鉱床。

スピネル(Spinel/尖晶石)はルビー(コランダム)と色・硬度・産地が極めて似通っており、しかも 同じミャンマー・モゴック地方の漂砂鉱床 から一緒に採れることが多かったため、1783 年までは結晶学的に区別されず、世界の王室の「赤い宝石」の多くがスピネルだった事実が長らく知られていませんでした。両者を結晶学的に別鉱物と特定したのは、フランスの結晶学者 Jean-Baptiste Louis Romé de l’Isle。決め手は結晶構造の違いで、スピネルは立方晶系(等軸晶系)の正八面体、ルビーは三方晶系(六方晶系)の柱状結晶という、結晶軸の対称性が根本的に異なる点でした。化学組成も MgAl₂O₄(スピネル)と Al₂O₃ + Cr(ルビー)で全く違います。

スピネル スピネル — ルビーと長らく混同された宝石

黒太子のルビーとティムール・ルビー — 王冠の中の真実

イギリス王室のクラウン・ジュエル、実はスピネル。

大英帝国王冠の十字架前面に据えられた 黒太子のルビー(Black Prince’s Ruby、140 ct) は、14 世紀のエドワード黒太子(イングランド王太子)がカスティーリャ王ペドロ 1 世から贈られた歴史を持つ、英王室を代表する赤い宝石。長らくルビーとして扱われていましたが、近代の宝石学で 実はレッドスピネル であることが判明しました。もう一つの代表例が ティムール・ルビー(Timur Ruby、361 ct)——14〜18 世紀にかけてティムール朝・ムガール帝国の歴代支配者が所有し、所有者の名前が刻まれた世界最大のスピネルのひとつ。1849 年にイギリス東インド会社がパンジャーブから接収し、現在はエリザベス女王のネックレスに装着されています。王室の歴史を彩った「赤い宝石」たちは、ほとんどがスピネルだった——これがスピネルという天然石を語るうえで欠かせない物語です。

スピネル 黒太子のルビーとティムール・ルビー — 王冠の中の真実

8 月の追加誕生石 — 多彩な色から選ぶ天然石

2021 年改訂、ペリドット・サードオニックスと並ぶ夏の宝石。

スピネルは 2021 年 12 月 20 日、日本の全国宝石卸商協同組合(全宝協)が 63 年ぶりに誕生石を改訂した際、8 月の追加誕生石 として正式に採用されました。8 月の主誕生石はペリドット・サードオニックス、追加誕生石としてスピネルが並ぶ、選択肢の広い月です。色は赤・ピンク・紫・青・緑・黄・褐・無色・黒と非常に多彩で、なかでも マヘンゲ・スピネル(タンザニア産のホットピンク)、コバルトスピネル(ベトナム・タンザニア産の鮮やかな青)、ブラックスピネル(ジェット代替として人気)が現代の宝飾界で珍重されています。

TROZO のスピネルは、研磨で表情を整えず、原石ならではの 立方晶系の正八面体結晶 の自形を活かして仕立てています。8 月生まれの方への贈り物に、赤系の情熱的なレッドスピネル、ピンク系の優しいマヘンゲ、青系のコバルトスピネル、黒系のブラックスピネル——色とタイプで選べる多彩な選択肢が魅力。在庫から色・形を選びたい方向けの作品と、「おまかせ」で石との出会いを楽しむ作品、両方をご用意しています。

スピネル 8 月の追加誕生石 — 多彩な色から選ぶ天然石

スピネルの原石アクセサリー

原石・鉱物の一点もの — TROZO

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スピネルについてよくある質問

Q スピネルの石言葉は?
A

スピネル(尖晶石)は「活力」「勝利」「情熱」「希望」「勇気」「再生」「魅力」「信頼」を主な石言葉として持つと言われています。レッドスピネルの「情熱と勝利」、ブラックスピネルの「魅力と信頼」など、色によって象徴が異なるのも特徴です。

Q スピネルは何月の誕生石?
A

8 月の追加誕生石 です。2021 年 12 月 20 日に日本の全国宝石卸商協同組合(全宝協)が誕生石を 63 年ぶりに改訂し、スピネルは 8 月の追加誕生石として正式に採用されました。8 月の主誕生石はペリドット・サードオニックスで、追加誕生石としてスピネルが並びます。

Q スピネルとルビーはどう違う?
A

化学組成も結晶系も別物の鉱物です。スピネル = MgAl₂O₄ の立方晶系(等軸晶系)の正八面体結晶ルビー = Al₂O₃ + Cr の三方晶系の柱状結晶。両者は色・硬度・産地が極めて似ているため 1783 年までルビーと区別されていませんでしたが、フランスの結晶学者 Romé de l’Isle が結晶構造の違いから別鉱物と確定。黒太子のルビー (140 ct)ティムール・ルビー (361 ct) など、王室で「ルビー」とされてきた赤い宝石の多くは実はレッドスピネルです。

Q スピネルのモース硬度は?
A

モース硬度は 8 で、天然石のなかでは非常に硬い部類です。ダイヤモンド(10)、ルビー・サファイア(9)の次にトパーズ(8)と並ぶ硬度で、ジュエリー用として十分な耐久性を備えています。日常使いのアクセサリーに適した強度を持つ天然石です。

Q 黒太子のルビー・ティムールルビーがスピネルって本当?
A

本当です。黒太子のルビー(Black Prince’s Ruby、140 ct) は大英帝国王冠の十字架前面に据えられた赤い宝石で、14 世紀のエドワード黒太子がカスティーリャ王ペドロ 1 世から贈られたと伝わります。ティムール・ルビー(Timur Ruby、361 ct) はムガール帝国由来でエリザベス女王のネックレスに装着されています。両者ともルビーとして長らく扱われていましたが、近代の宝石学で実はレッドスピネルであることが判明しました。1783 年以前は結晶学的にルビーと区別されていなかったための歴史的な誤称です。

Q レッドスピネル・ブラックスピネル・マヘンゲ・コバルトスピネルって?
A

スピネルの代表的な色変種です。レッドスピネル は赤系(ルビーと混同された歴史を持つ)、マヘンゲ・スピネル はタンザニア・マヘンゲ産のホットピンク(現代の最高峰スピネルのひとつ)、コバルトスピネル はベトナム・タンザニア産の鮮やかな青(コバルト含有)、ブラックスピネル は黒い不透明スピネル(ジェット代替として人気)。色によって価値と人気が大きく分かれる多彩な天然石です。

Q スピネルの主な産地は?
A

ミャンマー(モゴック) が最高品質のレッドスピネルの産地として知られ、ほかに ベトナム(コバルトスピネル)、タンザニア(マヘンゲ)(ホットピンク)、タジキスタン(パミール)、スリランカ、マダガスカル、アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリア、オーストラリアなど世界各地で産出される天然石です。

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